​​ロシア公演

◎11月4日(金)16:00開演
「日本文化デー」セミナー・コンサート「邦楽コンサートを楽しもう: 箏・三絃、尺八、笛」

◎11月1日(火)15:00開演
「邦楽コンサート&ワークショップ」

◎10月31日(月)19:00開演
ヤアニ・キリク教会コンサート「和楽器の魅力~古典から現代~」

◎10月27日(木)19:00開演
モスクワ音楽院「日本の心」演奏会「和楽器で奏でる日本の四季」

◎10月26日(水)、◎10月28日(金)
モスクワ音楽院 箏・三絃・尺八・笛による和楽器体験講座


■モスクワ音楽院 箏・三絃・尺八・笛による和楽器体験講座
◎10月26日(水)、◎10月28日(金)
場所:モスクワ音楽院 世界音楽文化センター
出演:福田恭子、江原優美香、井本蝶山、正田温子
――――――――――――――――――
モスクワ音楽院では筝曲がとても普及しておりますが、篠笛はまだあまり浸透していないようだなという印象を、一昨年より受けておりました。体験講座を行うのは初めてなので、どのような反応があるか心配だったのですが、なんと篠笛目当てでいらっしゃった方がいてとても驚きました。
日本の笛に興味があるというDimaさんとTanyaさんはご自分のプラスチック篠笛をお持ちで、独学で今まで篠笛を学んでいらしたそうです。お二人とも大変熱心で、構えや指の動きなど独学でわからなかった点などを集中的に質問され、さらには古典を学びたいと意欲的な申し出を受けました。言葉も互いに片言で、譜面も無い、本当に篠笛しかない状態でしたが、たった一時間で娘道成寺のうめさん部分をマスターし、さらには長唄とお祭りの曲の違いなども知りたいと、次々に吸収されておりました。
知りたいという熱心さがとても眩しく映りました。お二人の姿から、いつでも探求心を忘れずに篠笛を演奏していく事の大切さを再確認することができました。
まさかモスクワで篠笛を口伝で教える経験ができるとは思いませんでしたので、本当に得難い機会だったと感謝しております。楽器を通した演奏のみでも意思の疎通ができるという事がわかりました。素晴らしい時間をありがとうございました。

■モスクワ音楽院「日本の心」演奏会「和楽器で奏でる日本の四季」
◎10月27日(木)19:00開演
場所:モスクワ音楽院ミャスコフスキーホール
出演:福田恭子、江原優美香、井本蝶山、正田温子
**********
【set list】
春の海(江原優美香、井本蝶山、正田温子)
助六(正田温子)
秋の曲(福田恭子、江原優美香)
雁(井本蝶山)
ゆき(福田恭子、正田温子)
竹(井本蝶山、正田温子)
八重衣(福田恭子、江原優美香、井本蝶山)
――――――――――――――――――
モスクワ音楽院ミャスコフスキーホールにて二度目となる演奏会が実現しました。沢山のお客様に脚をお運びいただき満席での公演となり、大変嬉しく思っております。
今回は演奏会のテーマである四季にちなんだ選曲です。篠笛のみで古典曲を演奏すると、三味線や唄と演奏している時とは違うニュアンスになってしまい中々難しいと毎回痛感しているのですが、今回は「助六」を選びました。地唄三味線との「ゆき」や尺八との「竹」など、共に演奏する機会の少ないジャンルと共にできてとても勉強になりました。



■ヤアニ・キリク教会コンサート「和楽器の魅力~古典から現代~」
◎10月31日(月)19:00開演
場所:聖ヨアンナ教会コンサートホール ヤアニ・キリク
出演:福田恭子、 大嶋礼子 、江原優美香、井本蝶山、正田温子
**********
春の海(江原優美香、井本蝶山)
雁(井本蝶山)
ゆき(福田恭子)
竹(井本蝶山、正田温子)
秋の曲(福田恭子、大嶋礼子)
助六・勧進帳より抜粋(正田温子)
八重衣(福田恭子、大嶋礼子、井本蝶山)
招春賦(福田恭子、江原優美香、井本蝶山、正田温子)
――――――――――――――――――
とても素敵な教会で、厳かな雰囲気の中、邦楽のコンサートを行うことができました。サンクトペテルブルクでの演奏会は初めてだったので、どのような反応があるのか不安でしたが、会場の空気感から、とても真剣に日本音楽を知ろうと興味を持っていただけている事がよくわかりました。
演奏会タイトルの通り、古典曲と現代曲の両方をプログラムに選曲しましたが、どの曲も大変反応がよく、嬉しかったです。
見に来てくださった方、支えてくださった方々、なにより演奏会をマネージメントしてくださいましたオフィスプロペラントの一戸様、この度は大変貴重な機会をありがとうございました。

■「邦楽コンサート&ワークショップ」
◎11月1日(火)15:00開演
場所:サンクトペテルブルク文化大学 ベールィ・ホール
出演:井本蝶山、正田温子、江原優美香
**********
雁(井本蝶山)
故郷(井本蝶山、正田温子)
助六・勧進帳より抜粋(正田温子)
春の海(井本蝶山、江原優美香、正田温子)
竹(井本蝶山、正田温子)
笛、尺八のレクチャーと体験
――――――――――――――――――
大変レベルの高い大学の素敵なホールで、演奏とレクチャーをさせていただきました。文化大学の学生や講師の方々が聞きに来てくださり、弦楽器や管楽器専攻の方が多かったそうですが、その熱心さに大変驚きました。
レクチャーの初めに、普段自分のライブでも良く聞く事なのですが、篠笛を知っているかどうかと質問させていただき、結果知っていた方はごく数名でした。むしろ数名でもいらっしゃったことに驚きなのですが、やはり尺八や箏の知名度よりははるかに劣ります。ですが本日この会場に来てくださった人数分は篠笛の知名度が新たに増えることになりますので、日本から離れた土地に日本の楽器を紹介できることを嬉しく思います。
楽器の構造、使われる音楽、奏法の特徴などを実演も交えて説明しましたが、その後予期せぬ質問の嵐で大変驚きつつも、こんなに興味を持っていただけるなんて思ってもいなかったので、とても嬉しかったです。
その後の体験では、フルートの講師であるVarvaraさんが篠笛をいたく気に入って下さり、片言英語で申し訳ないのですが沢山交流が出来ました。何とかして篠笛を購入し吹きたいのでサンクトで購入する方法はないかと言われ、その熱意も、篠笛の魅力が伝わったことも嬉しかったので、ワークショップ用に持ち歩いているプラスチック管を一本プレゼントさせていただきました。文化の違う地で、日本の篠笛の魅力を知っていただけたことはこの上ない喜びです。
翌日2日、私は演奏していないのですが同行したグループの演奏会終了後にVarvaraさんが駆け込んで来てくださり、私にお返しのプレゼントをくださいました。お忙しい中間に合わない可能性が高かったにも関わらず、私にプレゼントをくださるために脚を運んでくださったことが嬉しくて、一生忘れられない幸せな出来事となりました。音楽が人と人を結ぶ事がどれほど美しい事なのかを実感しました。

■「日本文化デー」セミナー・コンサート
「邦楽コンサートを楽しもう: 箏・三絃、尺八、笛」
◎11月4日(金)16:00開演
場所:サンクトペテルブルグ モスクワ文化センター
出演:福田恭子、大嶋礼子、江原優美香、井本蝶山、正田温子
**********
楽器レクチャーと体験
春の海(井本蝶山、江原優美香)
助六・勧進帳(正田温子)
雁(井本蝶山)
八重衣(福田恭子、大嶋礼子、井本蝶山)
招春賦(福田恭子、江原優美香、井本蝶山、正田温子)
――――――――――――――――――
レクチャー、コンサート共に沢山の方が来てくださいました。楽器のレクチャーではあまり質問がなかったのですが、体験は沢山の方が来てくださってなかなか終了できない程でした。日本文化デーイベントの一環ということもあり、今までと客層が違う印象を受けました。
コンサートでも現代曲が一番盛り上がったと感じたので、同じ土地でもイベントの雰囲気などでプログラムを多少変える事も今後は考えるといいなと勉強になりました。


モスクワ、サンクトペテルブルグの二都市で演奏会を行うことができたのは、沢山の方々のお力添えがあっての事です。今回の渡航は前回までとは状況が異なり大変難航しましたが、応援してくださる方、後押ししてくださる方々に助けられ最後まで無事に終える事ができました。おかげさまで沢山学ぶことができ、大変感謝しております。

自分がどのように篠笛と人生を歩んで行けばいいのか、普段より悩んでおります。魅力を伝える事の難しさ、古典曲の良さ、現代曲の良さ、それぞれの良い点と欠点、本物とはなんなのか、何を主軸に定め行動したら良いのか、まだまだ悩んでおります。そして、答えはでないだろうとも思っております。
一つ一つ、演奏会やイベントなどを超えていくたびに自分の中に新たな意見が生まれ、違った視点から考える事が出来、そうやって悩み考えながら篠笛と付き合っていくことが、私らしい歩み方だと思っております。
篠笛は自然の材質で、職人の手作りの楽器ですので、不安定な存在です。環境によって音色も変わる、音程も自分で作っていく、一本一本性格が違う、そんな不安定な楽器とともに、不安定に悩んで模索していく事が、とても魅力的な歩み方に思えます。そんなことを改めて実感した演奏の旅でした。


今回のロシア公演を支えてくださった諸先生方、演奏者の皆さま、観客として足をお運びくださった皆さま、オフィスプロペラント一戸様、総領事館の皆さま、モスクワ音楽院・サンクトペテルブルグ文化大学・ヤアニキリク教会・モスクワ文化センターの皆さま、通訳してくださいました方々、スタッフの皆さま、ご支援くださいました平塚八幡宮総代会の皆さま、誠にありがとうございました。この公演でなければ学べない事が沢山ありました。一つ一つを心に留め、前進していこうと思います。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。